友人Aの提案で、地下鉄で催される「名探偵コナン」のイベントに参加する。列車をまっていると係員がきて、プラットホームの奥につづく開けた地下通路に案内された。

定刻になると、地下通路の壁に開いたおおきな穴から、4~5メートル程度のゴーレムが煙とともに登場する。窪んだ眼の奥にライトがしこまれていて、いかにも機械仕掛けの張りぼてだが、なかなかに迫力がある。慟哭をあげて、洞窟の地面を割りながらわれわれイベント参加者を威嚇し、襲い掛かってくる。
スマートフォンシャッタースピードが遅れて、うまくゴーレムの写真が撮れずにもどかしい。

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ひびわれた地面が断崖絶壁になり、たまたま隣に居合わせた他人に「この隙間に落ちて死ぬ人もいるかも」と尋ねると、「このイベントには<死>の概念が無いので、まんがいち死んでもリセットされるから大丈夫」だと言う。
「死なない概念の世界なら、殺人事件なんて起こらないから名探偵コナンは必要ないね」というわたしの言葉に、まわりはみんな無反応だった。

混乱のなかで、友人Bを見つけた。「もしも、動物を家来として召喚する能力を得られるとしたら、がまがえる、犬などどの動物を選ぶか?」という雑談。

いつのまにかゴーレムの姿はなく、イベントは終了した様子だった。
一緒に参加していた友人Cはアーティストなので、記者が彼女を囲んでイベントの感想を取材している。
友人Cは泣いていて、その泣き顔が去年亡くなったわたしの祖父に酷似している。
友人Cのインタビュー内容:
「幼少期、留守番のたびに妹と<JACKASS>のビデオを見ていた。わたしの恐怖の原風景はそれだ。JACKASSのメンバーであるウディ・アレンの映画も、いまだに直視できない。」
「ヒップホップを理解することは、わたしにはできない。なぜなら彼等の言葉は、彼等がうまれる前の前世から持ってきたものだから」

わたしはそろそろ、会社に戻って仕事のつづきをしなくてはならない。
いまから帰社して、フレックスタイムの所定労働時間に足りるかどうか、あたまの中で計算を始めるがうまくあたまが回らない。たぶん足りないと思う。
始めから今日有給にすればよかったけれど、午前中に一度出社してしまったからな...と
ぼんやりと考えている。

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